舞い上がった旗袍





 えへへへ。誕生日のお祝いってことでアニキが服をプレゼントしてくれました♥
 最近はお小遣いを貰ってもほとんど研究資金に注ぎ込んじゃうから、年頃の女の子としては新しい服がふえるのはやっぱり嬉しい訳で。しかもチャイナドレス。いやあ、今まで持ってたのはみーんなスリットが浅くてちょうどこの位、稼動範囲があるやつが欲しかったのよねー。
 しかも電気街に行った時に安かったから、って言って一緒にくれたこのパーツ、今の発明にどーしても欲しかった部品じゃない♥
 やっぱり私とアニキは以心伝心、史上最高のパートナー、なんてね♥
 あーもう♥ 発明の試作型は完成しそうだし、アニキには会えるし今日は人生最良の誕生日だわっ♥  リビングでアニキを待たせてるから早く完成させないと……。



「じゃーーん! アニキ、どうどう? 似合うでしょー♥」
そう言って私はアニキの前でくるっと一回転。
「うん、よく似合ってると思うよ。あ、メカ鈴凛にも着せたんだ」
「えへっへー、私のお下がりなんだけどね。ダブルチャイナのスーパーコンボ! ってところかな」
「で、今までラボで作業してたってことは、何か新発明でも出来た?」
「うん♥ せっかくアニキに貰った服だもん。 私なりにアレンジしてみたんだぁ♥ ちょっとそこのボール私に向かって投げてみてくれないかな? 思い切り投げちゃっても大丈夫だよ」
 でもやっぱりアニキは私の事が心配なようで、ギリギリ避けれそうな速度でボールを放ったの。
 次の瞬間私に当たろうとしてたボールはかき消えちゃったの。うーん、われながら完璧だわ♥
「どう、アニキ。チャイナドレスに形状記憶ポリマーと対動体レーダーを組み合わせてみたの。すごいでしょー。今のはドレスの下の部分がボールを超スピードで跳ね返しちゃったわけ。 理論上では銃弾だって跳ね返しちゃうんだから♥ 今度はこれでアニキにコートをプレゼントするね♥」
 けどアニキは押し黙っちゃって……
「どうしたの? アニキ? びっくりしちゃった?」
 すると
「鈴凛! 下!」
 って。叫んだの。……下?
「えーと、アニキ。それってどういう……
 その時私は気付いちゃったの。やけに腰回りがすーすーするってことに。そしてそれはドレスの深すぎるスリットだけのせいじゃないことに。
 そのまま黙ったまんまで二人で向かい合って立ち尽くして……。ケド、ケドね、私には、どうしても聞きたいことがあったの。それはね……


「アニキ……見ちゃった?」


私がそういうと、アニキはフッて顔を上げて……それから日焼けした訳でもないのに赤い顔で「全然見えなかったよ」って言って笑いました。



 よかったぁ……♥ 私のだけ先にチェキされちゃったらどうしようって思ってたの! アニキのボディは……私が絶対先にチェキしちゃう! 私負けないんだからっ♥



……なんて考えるとでも思った?
「メカ鈴凛! 記憶消去装置りせっとくん準備!」
ゴメンネ♥ ア・ニ・キ♥




みえちゃった……
Fin

 
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